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論評:中国の若者に広がる漢字忘れ
発信時間: 2009-08-04 | チャイナネット

シンガポール「聯合早報」により 作者:林黙

 

パソコンを頻繁に使い、文章を読むことが減少しているため、中国の多くの若者の漢字を書く能力が急激に低下し、漢字を書き間違えたり書く途中で手が止まってしまうという状況も珍しくなくなっている。

上海で先日行われた「第1回全国大中小学生規範漢字大会」で、これまでの大会で許可していた繁体字の使用を改め、指定された詩文作品を書く際に造字や誤字があってはならないだけでなく、繁体字を使用してはならないことを参加者に要求した。

パソコンの普及により、鉛筆やペンを握り字を書く機会が減っている。従来の手紙は電子メールや携帯電話のメールとなり、日記はブログになり、公文書などはもってのほかである。多くの人は、1年で署名をするほかにペンを使って字を書くことがほとんどないだろう。

漢字は英語の単語とは異なる。パソコンで文字を打つ際、多くの人がピン音で入力するが、ピン音と漢字は互いに独立したものである。漢字を直接入力する「五筆入力法」を使用しても、すべての字画や書き順まで知っている必要はない。こうして、多くの人は漢字の書き方を忘れてしまい、書いた字がどこかおかしかったり、書き間違えるということが頻繁に起こるようになった。

ある外資企業で働く瀋楽さんは記者に対し、「仕事、勉強、生活どれもネットワーク化、電子化し、字を書くことが少なくなった。今は五筆入力法やピン音入力の形式で覚えていても、書く時には忘れてしまうことが多い」と話す。

大学の専攻や職種も中国の若者の漢字忘れにつながっている。ある師範学校で英語を教える于維維さんは大学で英語を専攻し、現在は英語の教師をしており、普段漢字を書く機会が少ない。

于維維さんは取材に応じた際、「パソコンの使用が漢字忘れの原因の一つで、そのほかに仕事上何かを書くことが少なく、英語に接することが多いということもある。たまに何かを書くときもブログを書くくらいで、パソコンを使用する」と話した。しかし、彼女の交際相手は仕事で手を動かし字を書くことが多く、彼女のように漢字を忘れることはないという。

生活における大部分の情報と知識がインターネットからのもので、読書をする人が減っていることも漢字忘れや書き間違いを引き起こす原因となっている。

瀋楽さんは、「読書をすることが減ったために脳も少し『機械化』し、多くの漢字の書き方を忘れてしまった」と話す。

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