中国の科学者は、月探査衛星「嫦娥1号」がこの1年間で探査した科学データを活用してすでに多くの成果を得た。2011年には月探査衛星「嫦娥2号」が打ち上げられる予定。中国新聞網が3日伝えた。
月探査プロジェクト指導グループ顧問の欧陽自遠氏によると、「嫦娥1号」は4つの科学ミッションをうまく完了し、多くの貴重な科学的成果を獲得した。「嫦娥1号」の科学研究の中には、中国の科学者が世界で初めて取り組んだものも多い。
中国の科学者は衛星から送られてきた画像データを使って、世界で最も全面的で精密かつ正確な月面全体の画像を作成した。欧陽氏の話によると、この月面図は今のところ平面図だが、今年末には中国の科学者が月面全体の立体画像を世界に提供するという。
「嫦娥1号」の探査データに基づき、月の8つの元素の分布がひとまずはっきりとわかった。このほかにも、「嫦娥一号」に搭載したマイクロ波リモートセンシング装置を使って世界で初めて月表面の温度分布図を入手、月の土壌の厚さや月の土壌に含まれるヘリウム3の含有量の測定に役立てられる。
1年余りの月周回によって「嫦娥1号」はまた、宇宙の天気の変化も数多く記録し、科学者が宇宙環境を研究する上で多くの資料を提供した。
「人民網日本語版」2009年8月5日