このほど行われた2009年全国三次元(3D)デジタル化オリジナルデザインコンテストで、ある専門家が、中国の製造業には実用型の3Dデジタル化技術者が不足しており、大学での人材育成は産業との結びつきを一層強める必要があると述べた。「科技日報」が4日伝えた。
ある統計によると、現代型工業製品の開発・生産プロセスでは、設計開発段階で誤りの起きる確率は70%、生産段階あるいは後続の段階で誤りが発見され修正される確率が80%となっている。3Dの優位点は、製品実物に限りなく近いデザインを提供して、顧客とやりとりできることにあり、また誤りの修正やニーズの変更を設計段階でより早く行うことができ、製品の開発周期が短縮され、生産コストが下がり、市場競争における企業の優位性が向上することにある。
国家製造業情報化訓練センター3Dデジタル化技術認証訓練管理弁公室の魯君尚主任は次のように話す。3Dデジタル化技術は、未来の製造業での製品の革新における基礎的ツールになることが予想される。3Dデジタル化技術は中国製造業の総合的な水準や、次世代の世界的競争における位置取りと深く関係する。だが現在の大学の伝統的な人材育成モデルでは理論と知識が偏重され、企業が直面する市場ニーズや製品の研究製造プロセスとかみあっておらず、ひいては科学研究成果の産業回転率の低さ、卒業生が企業に入社した後、実際の生産に迅速に対応できないなどの問題を招いている。
こうした事態に対し、同弁公室などの関連部門が専門の人材就業サービスセンターや企業サービスセンターを樹立して、3D人材の就業や企業の招聘をめぐって、対象を絞った専門的なサービスを提供している。とはいえ切迫した広範囲なニーズを抱える企業にとって、まだまだ効果は限定的だ。
魯主任によると、今回のコンテストのようなイベントを通じて、情報化を進めて設計図や帳簿を廃止する動きを深化させ、3Dデジタル化技術の応用普及を推進して新たな段階に至る新しい道筋を推進することが可能になる。今後は、今回登場したような優れた3Dの作品やチームを通して、3Dデジタル化技術に対する社会全体の認識を深め、人材育成と企業の応用とが一体化したメカニズムを構築し、人材と実際の生産との迅速な連携を実現させる計画だという。(編集KS)
「人民網日本語版」2009年8月6日