北京建築技術発展有限責任公司の鐘副総経理は現在、研究グループを率いて地下鉄で風力発電テストを実施していることを明らかにした。これまで見逃されていた風が設備を通じて電気に転換され、地下鉄構内の照明などに活用される可能性が出てきた。「科技日報」が4日伝えた。
鐘副総経理率いるグループのメンバーは、高速道路の風は分散しすぎているため、集めにくいことがわかった。その一方、地下鉄内は風が集まりやすい密閉空間になっている上、風を集めるのに最適な長いトンネルがある。研究グループは北京のすべての地下鉄路線で風力テストを試み、地下鉄での風の回収と利用に理論上問題がないことがわかった。
彼らがトンネル内の壁に数メートル間隔で取り付けた風車の形をした発電機によって列車の通過時に起きる風を利用して電気を起こし、それを地下鉄構内の電気設備に蓄え、照明や広告用の照明などに活用できる仕組みだ。
しかしこうした設備の研究コストや製造コストは非常に高い。トンネル内に取り付ける発電機の平均コストは1台約1000元、トンネルひとつへの設備投入が約32万元になる。1台の発電機で1年に240元の電気代を節約できるため、3-4年でコストは回収できるという。
今年5月、「地下鉄トンネル風力エネルギー回収・再利用プロジェクト」が建設部の審査に通過。同技術の模型が6月に北京で開催された省エネ・環境保護展でお目見えし、注目を集めた。次は北京で申請を行い、地下鉄などの各部門と協力して模擬テストが実施される計画だ。研究グループは今資金面でのサポートを求めている。(編集KA)
「人民網日本語版」2009年8月6日