内蒙古の科学技術者はこのほど、性別コントロール技術を施したアカシカの冷凍精液を用いて、赤峰地区のメスのアカシカ284頭に人工授精を行った。その後2年間でアカシカ108頭が誕生し、その全てがオスだったことから、性別コントロール成功率が100%となった。科学時報が6日に伝えた。
内蒙古科学技術庁による鑑定の結果、専門家らは、「同技術を応用することにより、鹿茸の生産率が高いアカシカの群れが形成でき、アカシカの質向上、(鹿茸生産の)コスト削減に役立つ」との見方で一致した。中国が性別コントロール技術でオスのアカシカを大規模に出生させたのは今回が初めて。これにより、アカシカ産業発展の要となる問題が解決された。
専門家によると、シカの精子分離・性別コントロール技術は、フローサイトメトリー(FCM)を応用したもので、長期的に低温で運送できるアカシカのX/Y精子を生産することができ、純度は90%以上、冷凍精液の活力は0.45以上に達する。人工授精と更なる研究の基礎を築き、国内の大規模モデルのさきがけとなった。性別コントロール技術を施したアカシカの冷凍精液を大量生産する能力と産業化の条件はすでに整っている。
アカシカは国家ニ級保護動物で、中国では高い経済的価値を持つ動物だ。オスのアカシカから取れる鹿茸(袋角、滋養強壮剤に用いる)は漢方薬として人気が高い。しかし、人工飼育ではオスの寿命がメスより短く、オスの体質もメスより弱い。(編集SN)
「人民網日本語版」 2009年8月6日