中国の研究チームは少し前に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)からマウスを誕生させることに成功したが、これに引き続き、中国の研究チームによるiPS細胞の研究で再び大きな進展が得られた。人民網が22日に伝えた。
中国科学院上海生命科学院・上海交通大学医学院健康科学研究所の金穎・研究員率いる幹細胞研究グループと、上海新華医院の陳方・教授による研究チームはこのほど、出産前の妊婦の羊水細胞から、効率的かつ急速にiPS細胞を生成することに成功した。所要時間はわずか6日と、これまでのヒトiPS細胞の関連報道の中で最短記録となった。研究成果は、国際的に権威のある「Human Molecular Genetics」誌上でオンラインで発表された。
金穎研究員は「これらの細胞が生成・再プログラム化されるための所要時間は、これまでのヒトiPS細胞の関連報道の中でも最短となっており、生成プロセスの中で細胞が変異するリスクが大きく減少した。また、効率的かつ急速な再プログラム化の実現は、iPS細胞の分子構造を研究し、さらに安全なヒトiPS細胞生成過程を模索するための、理想的な細胞システムを提供することになる。ヒトiPS細胞を生成するのに必要な体細胞は、これまで専用のものを採取していた。しかし羊水細胞なら、妊婦が定期検査をするときにあまった物を使うことができる。これはiPS細胞の研究と今後の応用において、さらに便利となる」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」 2009年8月24日