深セン華大遺伝子研究院と西南大学が共同で行った研究成果「40のゲノム解析により明らかとなった、カイコの馴化および馴化に関連する遺伝子」がこのほど、科学雑誌「Science」に発表された。両機関が03年から行っているカイコ遺伝子研究で再び重要な成果が得られた。「科学時報」が2日に伝えた。
この研究では、40の馴化されたカイコの突然変異体と中国の野生のカイコ全遺伝子配列を解析した。多細胞真核生物の大規模なゲノム解析を行ったのは今回が初めてで、計632億5千万対の塩基配列を解析し、ゲノムマップの99.8%をカバーした。
同研究ではまた、世界初となる、遺伝子レベルでのカイコ類の単塩基遺伝・変異図が完成された。昆虫のゲノム変異図が発表されたのは世界初となる。このほか、カイコの起源と進化が遺伝子レベルで明らかとなり、馴化がカイコに生物学的影響を与えたというゲノムインプリンティングを発見した。
華大遺伝子研究院の専門家によると、カイコの大規模なゲノム解析、ゲノム変異図が完成したことは、全遺伝子レベルでの馴化研究および、人工的な選択がカイコに与えた生物学的影響の研究に役立ち、馴化したカイコと野生のカイコの生物学的な差となる遺伝子の基礎が明らかになった。さらに重要なのは、野生のカイコと比べ、馴化されたカイコは経済的にもメリットがあり、研究で発見されたゲノムインプリンティングは、馴化されたカイコの経済的メリットに関連する遺伝子のクローンおよび、その構造研究にとって非常に重要なものとなるということだ。(編集SN)
「人民網日本語版」 2009年9月3日