新中国成立後の60年間、中国の社会や政治、経済、科学技術、文化の進歩にともない、翻訳事業も絶えず発展してきた。この60年来の翻訳事業の発展過程は、中国が対外文化交流を強化し、各国の優れた文化を吸収して、中華文化の国際的な影響力を高めることが翻訳事業の歴史的使命であり社会的責任であることを証明している。
19世紀末から百年余り、中国の知識人は西洋文化の思想や社会・経済・科学知識を翻訳して導入することで中国の発展を促進してきた。いまや、翻訳の仕事は単なるツールではなく、そのかかわる範囲も外交事務、文学作品、古典的著作などに限られずに政治、経済、外交、文化、科学技術、軍事などの各方面におよび、中国と世界の文化交流の架け橋となっている。
今日、世界の多くの地域で、新華通信社が各種言語で発信しているニュースや英語版の『チャイナディリー』を読んだり、中央テレビ局の英語、フランス語、スペイン語によるテレビ番組や中国国際放送局の43言語によるラジオ番組を視聴したりできる。また、人民網、新華網、チャイナネット、国際在線などのインターネットサイトでは、毎日リアルタイムに数十種類の言語で中国に関する最新情報を発信している。中国外文局は25言語、数百人におよぶ翻訳人材を擁し、各種の外国語図書を対外出版すると同時に、『北京週報』『今日中国』『中国画報』『人民中国』などの20種類の刊行物を世界180カ国・地域に向けて発行し、その出版量は累計13億冊に達する。
翻訳は文化を伝える重要なルートであり、その国の対外交流のレベルや人文環境を具体的に示すものである。新しい時代の潮流の中で、対外開放を進め、急速な発展を遂げている中国は、盛んに発展する翻訳事業のサポートを必要としている。中国の5000年という長い歴史文化は中国だけのものではなく、世界のものでもある。中国は世界の文化発展のために貢献しなければならない。
「チャイナネット」 2009年11月12日 |