コウモリは夜行性の動物であり、食虫コウモリは主に超音波で位置を測定して虫を捕まえるため、目はすでに退化して見えない状態だと長年考えられてきた。しかし、中国科学院昆明動物研究所の張亜平院士および博士生の沈永義さんはこのほど、果物を主食とするコウモリ「フルーツ・バット」には超音波による位置測定能力はなく、主に視覚と嗅覚で食べ物を探しており、視力もとても発達していることを発見した。この研究結果はこのほど、オンライン科学誌「PLoS ONE」に掲載されたほか、ウェブサイト「Nature China」でも報道された。「科学時報」が23日に伝えた。
張院士らは暗所視(光量が小さい状況での、目の単色の視覚)を司る「RH1」遺伝子が発現する網膜桿体視細胞のクローンを生成したところ、視力が退化した食虫コウモリでも、視力が発達した「フルーツ・バット」コウモリでも、桿体視細胞には「RH1」遺伝子が発現することを発見した。これにより、目が退化した食虫コウモリであっても、暗所視は可能であることが証明された。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年3月23日