「2012年に超大型の太陽嵐が発生して、地球全体の電力システムが麻痺し、地球は暗黒の時代に戻るだろう」という噂が最近、インターネット上や巷で口々にささやかれており、多くの人々が不安を感じているという。「南方日報」が伝えた。
これに対し、中国紫金山天文台の専門家は19日午前、「ネットなどの噂は信憑性がない」と表明した。現在の観測情況から見ると、太陽活動は次第に活発期に入りつつあるが、例年と比べると黒点の活動はやや活発さに欠けており、2012年に巨大な破壊力を持つ超大型太陽嵐が発生することはないだろうと判断できるという。
▽次回の太陽活動のピークは2013年か
超大型の太陽嵐とは、黒点活動のピーク時に太陽で発生する大規模なフレアの爆発を指す。太陽エネルギーの増加で太陽活動が強まることにより、宇宙空間に大量の電磁波・粒子線・粒子を放出するというもので、多くの科学者がこれを「太陽のくしゃみ」と呼んでいる。
専門家は同日、簡単な黒点観測機を使って実際に黒点を観測した。当日は太陽がまぶしく輝いていたが、黒点を観測することはできなかった。紫金山天文台太陽研究グループの寧宗軍氏は、「これまで人類は太陽活動のピークを23回にわたって記録してきた。基本的に11年に1度発生している。前回の活動ピークが2000年前後だったため、2012年に再びピークが来ると予言する人がいるのだろう」と述べる。
寧宗軍氏は、「今日は黒点を観測できなかったが、研究によると太陽活動は次第に活発期に入っている。これまで数年間、太陽は異常に穏やかな状態を保っていた。黒点の相対数は長い間ゼロを記録しており、今年に入ってからようやく増加し始め、4月には19個になった。前回の太陽活動ピークでは、黒点の数は最大の月で170個だった。次のピークは2013年ごろ到来すると予測される」と述べる。
▽太陽嵐は地球に影響をもたらすが、人体に危害はなし
紫金山天文台の甘為群副台長によると、太陽活動は地球の磁場にある程度の影響を与えるという。太陽嵐によって発生した高負荷の電磁波や粒子が地球上に到達すると、地球の電力や通信などに一定の妨害をもたらし、衛星からの情報送信が影響を受けたり、テレビ画像が中断したり、携帯電話の電波状態が悪くなったりするかもしれないが、人体には危害を与えないという。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年5月21日