華中農業大学農業微生物学国家重点実験室の姜道宏教授率いる研究チームがこのほど、真菌の中からDNAウィルス(SsHADV-1)を発見した。真菌のssDNAウィルスに関する発表がなされたのは世界初であり、重要な理論的意義と実践価値を有する。同研究は米国の学術刊行物「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)上で発表された。「科学時報」が14日に伝えた。
姜教授によると、常温性菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)は、非常に重要な農作物の病原性真菌だ。約450種類の植物に感染し、それによって引き起こされる菌核病は、中国の油菜や大豆など、さまざまな農作物生産の安全性を脅かしている。効率の良い予防措置がなかったため、これまで菌核病の抑制は難問とされてきた。SsHADV-1の発見により、菌核病の予防に向けた新たなルートが示されたこととなる。
さらに、SsHADV-1は、作物に幅広く危害を与えるジェミニウイルスとも関係があるため、ジェミニウイルスの起源・進化の研究に向けても、新たな科学的証拠を提供することとなった。ジェミニウイルスによって引き起こされる病害は深刻で、09年だけでも経済損失が数十億元に上っている。現在ジェミニウイルスの起源は明らかになっていないという。
「人民網日本語版」2010年5月14日