コウモリの飛行 エネルギーシステムの進化がカギ

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発信時間: 2010-05-14 16:58:17 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

コウモリは哺乳動物でありながら、なぜ鳥類や昆虫のように飛ぶことができるのだろうか。この問題をめぐり、中国科学院(科学アカデミー)昆明動物研究所の張亜平院士がこのほど、エネルギー代謝の観点からコウモリの飛行の秘密を解明した。「科技日報」が14日伝えた。

張院士とその指導する博士課程の沈永義さんは、動物が飛行時に消耗するエネルギーは走行時の3-15倍であることに注目し、飛行には骨格などの形態の変化のほかにエネルギー供給システムの高効率化が必要であり、飛行時のエネルギー必要量の急激な増加に対応できるようにならなくてはいけないことをつきとめた。ミトコンドリアは細胞のエネルギー工場であり、酸素呼吸のはたらきを通じて生物体にエネルギーの95%を供給し、動物の運動に必要なエネルギーや動力を供給するエンジンだ。研究チームの仮説では、ミトコンドリアのエネルギー生産システムの進化が、コウモリが飛行能力を獲得するようになったプロセスと密接に関連しているという。同チームはゲノム

の比較分析を通じて、コウモリが飛行能力を獲得するプロセスの中で、ミトコンドリアの酸素呼吸のはたらきに関連するゲノムが選択されて、ミトコンドリアと細胞核とで構成されたゲノムがともに進化し、飛行能力獲得プロセスにおけるエネルギー必要量の急激な増加に対応できるようになったことを証明した。

この研究成果は先月26日に世界的な学術刊行物「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)のオンライン版に発表された。同アカデミーの専門家はこの研究を高く評価し、非常に優れた、かつ人をワクワクさせる研究で、ミトコンドリアの分子生物学的側面や進化、飛行に関する分子の適応メカニズムの解明にとって幅広い意義があると評する。

「人民網日本語版」2010年5月14日

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