中国の科学者は「嫦娥1号」に搭載したCCD立体カメラとレーザー高度計がとらえたデータを使い、世界で最も鮮明な縮尺1:250万の月全体の画像図を作成した。「研究員は現在、レーザー高度計の測高データとCCDカメラの画像データを組み合わせ、より正確な月の3D地形図を作成中だ」と中国月探査プロジェクト首席科学者の欧陽自遠氏は明らかにした。立体図の処理には時間がかかるが、技術的な問題は特にないという。北京日報が2日伝えた。
月の3D地形図は月の様子、月の表面地形、地形の構造、月形成メカニズムについての研究に用いられ、将来の月面着陸に向けて準備が進められる。月のどの場所にどう着陸するか、着陸機の設計、月面着陸プロセスの安全確保、着陸後の月面車の走行などはすべて地形図が欠かせない。
嫦娥1号がとらえた科学データから中国は月面上の様々な鉱物を測定し、どの種類の岩石かを大まかに確定したほか、マイクロ波放射測量技術を使い、月面のそれぞれの地域の土壌の厚さを測定し、月に存在する重要なエネルギー、核融合燃料「ヘリウム3」の資源量を算出した。環境観測面では、4つの観測可能な地域を確定したほか、不思議な太陽風の変化の特徴を発見した。
「人民網日本語版」2010年6月3日