「中国の2050年までの科学技術発展ロードマップ」(中国科学院出版)によると、集積回路、スーパーコンピュータ、インターネット、メモリのいずれにおいても、2020年前後に現在の技術の延長線では克服できない情報技術の壁にぶつかるため、科学的問題を解決する新たな発見と原理的なブレークスルーが急務になるという。
中国科学院計算技術研究所の李国傑所長は「この結論が示すのは、私たちに残された時間はあと10-15年しかないということだ。この戦略的チャンスといえる時期を逃せば、中国が21世紀前半に情報産業強国となるのは難しく、中国の現代化のプロセスに非常に不利となる。情報分野において、科学技術のブレークスルーによる産業革命は往々にして15-20年続くことから、この10-15年以内に次世代技術を開発し発言権を獲得しなければ、2020年から2040年の間、現在のように国外の技術に頼る局面に甘んじるしかない」と話す。
李所長はさらに、「中国は過去数十年、ほぼ国外の基礎技術をプラットフォームとし、少しずつ改良の道を歩んできた。さらに10-15年すれば、この道は行き詰るだろう」とし「現在盛んに開発が進められているクラウドコンピューティングや高速処理計算機、モノのインターネットなどの新技術は、国外にもまだ模倣できる成熟した技術がないため、中国はオリジナルを革新していく意気込みがなくてはならない」と強調する。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年6月28日