中国航天科工業集団公司六院による「高強度有機繊維『F-12』50トン産業化プロジェクト」の起工式がこのほど、フフホト市で行われた。同生産ラインは、中国最大の高強度有機繊維生産ラインとなる。「科学時報」が8日に伝えた。
同プロジェクトの建設により、『F-12』の中国における生産能力が向上し、中国がハイエンドなアラミド繊維の研究・製造分野でこれまで輸入に依存していた状況が打開される。また、アラミド繊維の国内保障能力の形成にとっても重要な意義がある。
高強度有機繊維「F-12」は、中国航天科工業集団公司六院が独自開発した、知的所有権を持つハイテク製品であり、中国の高強度有機繊維材料の空白を埋めるものとなる。
同繊維はアラミド繊維に属し、高比強度、高比弾性率、弱反発弾性、低密度などのメリットがある。その性能は、国内でこれまでに量産されているアラミドII繊維の性能を大きく上回るもので、アラミド繊維におけるトップクラス製品と言える。
専門家によると、「F-12」で作ったロープ1本で、46トンの重さを吊り上げることが可能だという。ちなみに、同じ太さのワイヤーロープでは8トンが最高。「F-12」は、宇宙、航空、高性能飛行艇などの分野で幅広く応用できるだけでなく、電力ケーブル、エレベーターケーブル、および高性能スポーツ器材などの分野でも応用が可能だ。
「人民網日本語版」2010年7月8日