オーストラリア放送局は2日、中国が1日に成功した5基目の測位衛星「北斗」の打ち上げは、世界をリードしている米国のGPS測位システムへの挑戦で、オーストラリアの宇宙専門家は、中国は着実に宇宙計画を展開しており、将来的には米国の宇宙の覇者の地位に挑戦できる実力を持つだろうと話していると伝えた。
オーストラリア・ウーロンゴン大学の宇宙アナリストであるモリス・ジョーンズ博士は、「北斗」の打ち上げは、米国の宇宙技術から独立して発展することに重点が置かれていると説明する。各国が使っている米国のGPS測位システムは米国政府の運営であり、とりわけ軍事情報の測位は、米国がいつでもコントロール可能なシステムを使用していることから、中国やその他の国々は、米国政府がコントロールしている「財産」に依存したくないと考えている。
今のところ中国だけが測位システムの開発を進めているわけではない。EUは「ガリレオ」を開発し、ロシアも「グロナス」の調整中だ。「北斗」の設計を担った孫家棟氏によると、「北斗」は現在、中国国内でサービスを提供しているが、2012年までにはアジア太平洋地域に拡大していくと話す。
中国の測位システムはまだ実力的にまだまだが、その背後にある中国の宇宙計画発展の勢いは米国とは著しい対照をなしているとジョーンズ博士。「米国は改めて宇宙計画の配置をしている。来年から米国の宇宙発展は空白期に入り、宇宙飛行士を宇宙に送り込む計画もない。中国は着実に自国の宇宙計画を推し進めており、この勢いだと米国の宇宙での覇者の地位に挑戦できる実力を持てるようになるかもしれない」
報道では、中国は衛星を打ち上げるだけでなくそれを落とすこともでき、2007年には自国の衛星を打ち落として注目を浴びたとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月5日