09年秋の予定だった中国初の火星探査機「蛍火1号」の打ち上げが延期されたことについて、中国科学院宇宙科学・応用研究センターの呉季主任はインタビューに答え、「『蛍火1号』の打ち上げ延期の主な原因は、準備期間が足りず、テストデータが十分とれなかったためだ。中国とロシア間に協力に対する意見の相違は全く存在しない」と語った。「人民網」が3日に伝えた。
中国は07年3月、初の火星探査機「蛍火1号」をロシアのキャリアロケットに搭載し、火星に向けて打ち上げることでロシアと合意、契約に調印した。同プロジェクトは中国にとって、有人宇宙飛行プロジェクト、月探査プロジェクトに続き、初の外惑星に対する探査活動となり、ロシアにとっては「MARS 96」の失敗後、新たなスタートとしての意味を持つ。
呉主任は「我々は、自国のロケットで『蛍火1号』を打ち上げる実力を持っている。ロシアとの協力を選んだのは、経費節約のためと、2地点からの共同探査を行うためだ。これは、『蛍火1号』および両国の共同目標となっている」と述べる。
呉主任はまた、「ロシアは今回、プロジェクトに真摯に取り組んでいる。当時、スケジュールが非常にタイトだったため、いくつかの実験が終了できなかった。ロシア内部でも、『確信がもてない』ことを理由に、多くの科学者が打ち上げの延期を積極的に提案していた。ロシアはいかなるリスクをも排除したいと考えている。打ち上げの延期決定に際しても、真剣な配慮があったと思う」と述べる。
呉主任は、火星の発射時限(衛星などが打ち上げられなければならない時間帯・期間)の都合上、次の発射は地球と最も近づく2011年11月となる可能性が高いと見る。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年8月4日