「嫦娥計画の父」とされる中国月探査プロジェクトの技術責任者、欧陽自遠氏はこのほど、中国・南京大学で宇宙探査に関する講演を行った。中国紙、揚子晩報が15日伝えた。
2007年10月24日、月探査衛星「嫦娥1号」が打ち上げられた。今年打ち上げを予定している嫦娥2号は月までの距離がさらに近く、より鮮明な画像を取得することが可能。これは嫦娥3号の月面着陸をより円滑に行うための下地となる。
嫦娥2号は嫦娥1号に技術的な改良を加えたもので、性能は嫦娥1号を上回る。画像解像度が向上したため、科学データも必然的に豊富になる。月探査を詳細に行うことは月面着陸の成功につながる。
欧陽氏によると、月面着陸には着陸地点の地形を詳細に把握することが必要となる。そのため、嫦娥2号のレーザー高度計は、1度に5地点の遠隔測定データを取得できるよう改良されている。1度に1地点しか測定できなかった嫦娥1号と比べると大きな進歩を遂げている。
また嫦娥2号が搭載するCCD立体カメラの空間解像度は10メートル未満で、月から約100キロメートル離れた軌道を周回する。200キロメートル離れた軌道を周回する嫦娥1号よりさらに低い。つまり、衛星軌道と月面との距離が半分になり、さらに鮮明な画像が取得可能となる。(編集YT)
「人民網日本語版」2010年9月16日