月探査衛星「嫦娥2号」はこのほど、月面の虹湾区における画像取得を無事に終了した。北京宇宙飛行コントロールセンターは10月29日10時34分、「嫦娥2号」に対して軌道を上昇させる指令を出し、衛星は月からの距離100キロの地点にまで移動した。衛星は30日に軌道維持を行い、100キロ×100キロの円軌道に戻る。今回の画像取得は、今後行われる「嫦娥3号」の月面着陸地点選択に向けて実施された。人民網が29日に伝えた。
北京宇宙飛行コントロールセンターの朱民才主任は、「世界三大宇宙飛行コントロールセンターの1つである北京センターでは、嫦娥2号の任務において4つの要となる技術を攻略した」と述べる。4つの要となる技術とは以下の通り。
(1)軌道投入時の様々な偏差に対して各種の分析計算を行い、軌道投入時の偏差が大きい場合における衛星の月への飛行を成功させた。
(2)頻繁な姿勢制御力の妨害によって、軌道決定の計算精度に影響が出るという難題を克服し、精密な軌道決定能力を高めた。
(3)「嫦娥2号」の任務における、月からの距離が15キロの軌道降下ポイントは月の裏側にあり、直接見ることができない上に、非球状の重力場にある。その中で、近月点のドリフトレートが急速に加速することによって、軌道が「虹湾」地区に達する前に、目標エリアから離れるなどの技術難題を解決した。
(4)迅速かつ正確に各項目、指令任務、知能計画を達成し、各飛行コントロールの要求を全面的に満たした。
(編集SN)
「人民網日本語版」2010年11月1日