中日著作権ビジネスの最新動向と展望をテーマにした「中日著作権セミナー」が19日午後、北京・国家会議センターで開かれた。このセミナーは、18日に開幕した第3回中国国際著作権博覧会(21日に閉幕)の主賓国イベントの一環として、日本国文化庁と中国国家版権局の指導下で開催された。
日本国文化庁国際課の大路正浩課長と中国国家版権局の董維仁副司長が冒頭で挨拶し、セミナーの主旨を説明した後、映像、音楽、電子出版流通の三分野でそれぞれプレゼンテーションが行われた。
大路正浩課長は挨拶で、日本国文化庁と中国国家版権局の著作権保護協力における最新動向に触れ、「3月の戦略的協力に関する覚書の締結に続き、第3回著作権博覧会に主賓国として招かれたことは、この分野における日中関係が強固であることの表れだ」と話し、「事例紹介を通して、著作権保護は文化産業の発展にとって不可欠な基盤であるという認識を深めたい」とセミナーに寄せる期待を述べた。
これに対して、董維仁副司長は日本が主賓国として参加したことに感謝の意を述べた上、「中国と日本は文化産業と著作権産業の発展において、長期的で緊密な協力関係にある。日本は文化産業のコアである著作権産業の発展において、中国にとって学びに値する数多くの経験がある。主賓国からより多くの、またより良い産業発展の理念を紹介していただき、中日の文化産業における長期的協力に向けて条件作りがしていけるよう期待している」と語った。
その後、映像分野では、株式会社フジテレビジョン編成開発部の細貝康介氏が発表を行い、フジテレビと中国側パートナーとの映画共同制作計画や、中国向けバラエティ番組の「フォーマット利用権」の販売実績などを紹介した上、「コンテンツビジネスの分野では日本と中国が二大地区になって、全アジアのマーケットを作ることが非常に重要なことだ。現在はプロジェクトごとの取り組みが中心だが、最終的にはインフラ的なものも含めた協力を着実に進めていきたい」と将来を見据えた中国とのビジネス提携を展望した。
音楽分野では、株式会社レコチョクの加藤裕一代表取締役社長が、インターネットや携帯電話の普及によりもたらされた音楽著作権保護への挑戦に対する日本の音楽産業界の取り組みを具体的に紹介した。
一方、電子出版流通分野は、日本最大の書籍流通網を有している丸善株式会社の林直樹執行役員と中国電子書籍関連技術のパイオニアとして知られる方正国際グループの管祥紅総裁の共同発表の形で行われ、日中双方向の電子コンテンツの流通・販売及び電子化促進などの市場開発、システム構築に関する両社の協力事例が紹介された。
今回の博覧会開催中、主賓国として参加した日本はこのほか、伝統文化、映画、放送、アニメ、ゲームなどを陳列するブースを設置し、人気ユニットSKE48のコンサート出演や、カラオケ大会、コスプレ大会の主催など若者に人気のイベントも催した。
「中国国際放送局 日本語版」より 2010年11月21日