中国科学技術協会が23日に行ったイベント「科学とメディアの対話」において、中国航天科技集団公司科学技術委員会の于登雲副主任(月探査プロジェクト総設計師)が明らかにしたところによると、このほど画像が発表された月面・虹湾区は、月探査衛星「嫦娥3号」が最終的に着陸する地点とは限らないという。「嫦娥3号」の着陸予定地は虹湾区を含む計5カ所となっており、虹湾区以外の4カ所はそれぞれ、神酒の海、湿りの海、 ケプラー(クレーター)、アリスティルス(クレーター)となっている。「科技日報」が24日に伝えた。
「嫦娥3号」と「嫦娥4号」の打ち上げは月探査第2期プロジェクトに属し、月面への軟着陸と月面車による調査が行われる。このため、「嫦娥3号」の着陸地点はこれまで多くの注目を集めてきた。
于登雲副主任は「月探査第1期プロジェクトの際、2期、3期の任務を考慮した上で、2期における着陸地点として5カ所の候補を選んだ」と述べる。候補の選択には以下の4つの要素が決め手となったという。第一に、科学性。その場所の科学的な研究価値が高く、元素が豊富かどうか。第二に、安全性。安定した着陸ができる場所かどうか。第三に、観測・制御性。地球から見える場所かどうか。第四に、革新性。これまで誰も行ったことのない場所かどうか。
于登雲副主任は「最終的な着陸地点は今後の進展と具体的な打ち上げ情況に基づき決定される。現在は確定できない」と述べる。(編集SN)
「人民網日本語版」2010年11月24日