東経102度、南緯39度を航行中の南極科学調査船「雪竜号」で26日未明1時35分頃、エンジンシリンダーヘッドのバルブからガスが漏れ、エアチューブに1000度以上の高温ガスが入った。作業員は点検修理のため機械を緊急停止したため、船体が大きく揺れた。27日付「科技日報」が伝えた。
処理が遅れ、高温ガスがエアボトルに入ってしまうと爆発の危険性もあるという。機械を止めてから30分後、タービン部門は海況が穏やかだったことから船長の同意を得て船をとめ確認を行った。わずか10分で新しいバルブに取り替えられ、午前1時50分には再び航海が始まった。
幸い、調査機器は事前にしっかり固定されていたため無傷だった。乗組員にもけがはなく、割れやすいビンなどが落ちて割れただけだった。
今回のトラブルにより雪竜の問題点が明らかになった。同船にはメインエンジンが1台しかないため、故障が見つかれば船をとめて作業するしかない。それでは航行の安全にリスクがともなう。特につむじ風の吹く西風帯ではさらに危険性が高まる。新型推力システムを用いて安全性を高めることが次の科学調査船の建造において考慮されるべき重点であることが今回の件で確認された。(編集KA)
「人民網日本語版」2010年11月29日