中国が初めて独自開発した100万キロワット級原子力発電所フルスコープシミュレータが28日、福建省寧徳原子力発電所で性能テストを通過し、本格的な運用に入った。「中国新聞網」が伝えた。
同シミュレータは中広核集団傘下の倣真公司と寧徳核電公司、中広核工程公司、北京広利核公司が共同開発した。これは中国の原発が独自設計、独自製造、独自建設、独自運用の道において、また重要な一歩を踏み出したことを意味する。中国の原発発展史上、一里塚的な意義を持ち、外国企業によるフルスコープシミュレータの独占状況を打破するものだ。
フルスコープシミュレータは原発建設における重要設備で、「バーチャル原発」とも称される。国際慣例や中国の原発建設基準では、新設の原発一基につき少なくとも1台のフルスコープシミュレータを設置することになっている。フルスコープシミュレータは運転員の訓練と試験に用いられ、運転員や管理員の技術水準を向上するための、安全で信頼できるツールだ。
かつて大亜湾原発で訓練を受けた寧徳原発の第1期運転員は、同シミュレータを実際に操作した結果、その運用効果が輸入シミュレータの水準に全面的に達しているとの認識で一致した。
中広核集団傘下の中広倣真公司は07年5月に世界先進レベルのシミュレーション技術を導入、再革新し、2年余りの時間をかけて開発・テスト作業を完了。100万キロワット級原子力発電所のフルスコープシミュレータの独自開発という目標を達成した。(編集NA)
「人民網日本語版」2010年12月29日