中国科学院の路甬祥院長(全国人民代表大会常務委員会副委員長)はこのほど開かれた中国科学院の2011年工作会議において、中国は経済発展方式を転換する上で重要な時期を迎えており、技術革新の役割がより大きくなると指摘し、小康社会(ややゆとりある社会)の全面的な建設の要求に対し、科学技術の発展が4つの点で適応できなくなっていると述べた。路院長の話の内容は次の通り。科技日報が9日伝えた。
改革開放から30年余り、中国の経済・社会には世界の注目を集める、劇的な変化があった。社会の生産力は急成長し、世界における競争力、影響力が大幅に高まる一方で、産業はいまだ世界的分業の末端を担い、自主革新力が弱く、経済発展は依然として低い労働コストを中心に、投資と輸出によるけん引を拠り所としている。エネルギー、資源、コア技術の対外依存度は依然として高く、自然災害や公共安全事故が頻発し、収入格差、都市と農村の格差、地域間の格差が拡大を続けている。こうした資源、生態、環境を大きな代価とする発展方式の継続は難しい。経済、産業、科学技術の大国から強国へと歴史的飛躍を果たすには、中国の特色ある科学の発展、革新的発展、調和・協調、エコロジー・インテリジェント、健全かつ持続可能な発展の道を歩まなければならない。
小康社会の全面的な建設の要求に対し、科学技術の発展が次の4つの点で適応できなくなっている。
(1)革新的人材と全体的な革新力が経済社会の需要に適応できなくなっている。
(2)体制と管理の革新が技術革新およびその社会的価値実現の客観的法則に適応できなくなっている。
(3)資源・要素の構造・配置革新が経済社会の地域的な発展の総体構造に適応できなくなっている。
(4)技術革新の価値理念と文化が技術革新の本質的な要求や国、社会、人々の期待に適応できなくなっている。(編集KA)
「人民網日本語版」2011年2月9日