モスクワ郊外で実施中の模擬火星旅行実験(MARS 500)が重要な段階にさしかかった。ロシア医学生物学研究所(IBMP)が12日に発表した情報によると、MARS500のクルー3人を乗せた着陸モジュールが同日、模擬火星への着陸シミュレーションに成功したという。重慶晩報が14日に伝えた。
中国人クルーの王躍氏のほか、ロシア・イタリア人クルーが乗った着陸モジュールは宇宙船から分離され、約1時間の飛行の末、「火星」への着陸シミュレーションに成功した。
IBMPの関係者によると、同日のシミュレーションは順調に行われ、カメラを通じて見た様子では、参加者たちは精神状態・健康状態ともに良好だったという。
王躍氏ら3人のクルーはモスクワ時間12日11時(北京時間16時)に着陸モジュールへと移動した。彼らの「火星」での滞在時間は23日までとなる。この間、参加者たちは3回にわたってモジュール外に出て火星への「上陸」ミッションを行う。
今後約2週間にわたり、残る3人のクルーは火星周回軌道上にあるという設定の宇宙船に留まり、「火星」から3人のクルーが戻った後、ともに帰還する。
火星に着陸したクルーは14日、18日、22日の3回にわたって火星上陸シミュレーションを行う。クルーは宇宙服を着用し、火星探査車などの設備を使用して「模擬火星」の表面を調査し、土壌サンプル取得、水源調査などの科学実験を行うほか、突発な的事件への緊急対応などのシミュレーションも行うという。(編集SN)
「人民網日本語版」2011年2月15日