北京周口店遺跡第1地点の緊急発掘調査に関する中間報告が8日に発表された。今年5月の発掘から得られた新たな証拠は、周口店遺跡の考古学的成果に対する欧米学術界の疑問を力強く退けるものだ。京華時報が9日に伝えた。
欧米の学者は北京原人には火を使い、火種を保存する能力がなかったのではと疑問を呈してきた。火を用いた証拠とされた焼けた骨、焼けた石、灰燼は洞窟外から水流で運ばれてきた可能性があるとされ、「灰燼」に対する新たな分析結果から樹木が燃えた時に発生する化学元素が見つからなかったことも指摘された。
これについて中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の副所長で、発掘調査隊の隊長を務める高星氏は「今回の調査で灰燼の堆積地には確かに水流の痕を示す水平層理が確認された。だがそこから遠くない場所では土は赤黄色を示し、層理はなく、かき乱されていない。主に分布するのは焼土の可能性があり、しかも暖炉構造を呈している。周辺には黒褐色の灰燼や木炭らしきものが帯状に分布している」と指摘。「われわれはすでにサンプルの初歩的な分析に着手し、長い燃焼により発生する化学元素を抽出して、欧米学界の疑問を一応退けた」と述べた。今後研究室での分析や測定によって、火使用の確実な証拠を見つけ、北京原人の火使用能力をめぐる論争に決着をつけられる見込みだという。 (編集NA)
「人民網日本語版」2011年8月9日