「源氏物語」と同様、「古典文学史上の双璧」と呼ばれる平安時代の才女、清少納言の散文集「枕草子」も中国ではよく知られている。これまでは周作人の翻訳が有名だったが、周作人とは異なる気質と経歴を持つ林文月氏の翻訳は、それぞれの特色を備えている。
他の作品は歌物語として有名な「伊勢物語」と、女性の生活を描いて有名な樋口一葉の短編小説「十三夜」で、いずれも中国大陸部では初めての完訳版の出版となる。「十三夜」は100年以上前に書かれたものの、「最も古典情緒を具えた近世作品」と讃えられている。小説は東京の半下層社会を題材とし、細やかな描写で世相を捉え、市井の庶民の生活を捉えている。
今回の訳林版「林訳日本古典」シリーズの「源氏物語」、「枕草子」、「伊勢物語」、「十三夜」はいずれも詳細な注釈が付き、読者の理解を深めてくれる。(編集YH)
「人民網日本語版」2011年8月11日