現代中国に「国民服」は必要か?

現代中国に「国民服」は必要か?。

タグ: 中山服,チャイナドレス,国民服,和服,韓服

発信時間: 2011-10-31 10:12:17 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

現在、流行のドラマで中山服や旗袍(チャイナドレス)を着た俳優を頻繁に見かけるようになった。それにともない「国民服」に対する議論が盛んになっている。

「服装には政治、経済、民族から個人の品位にいたるまで、様々な情報が内包されている」。長年にわたり服飾史の研究をしている東華大学服装学院の包銘新教授は「服装は国家制度の重要な要素だ。国民服とは制度化された服飾であり、それを着ることで国家、民族、個人のアイデンティティが視覚化できる」と述べる。

中国は東漢の時代より民国年間まで、各王朝で『輿服志』のような服飾制度の書物を残してきた。包銘新教授によれば、過去の封建王朝は階級や権力を服装で区分しており、服装の規範も政権交代によって変更されてきたという。辛亥革命後、特に新中国成立後は、自由・平等・民主の提唱により、服装による身分や貴賎の区分は制度として反対されるようになった。そのため、軍隊や郵便といったわずかな職種以外、このような服装制度は消滅することになった。

社会の発展に従い、中国人は国際交流活動や重大な行事が増加してきた。また服装への欲求が高まり、センスが徐々にアップしてきた。そこから、国家的アイデンティティや個人のセンスを、服装を通じて見せたいという欲求も日増しに高まることになった。「着られればなんでもいい」という発想は、昔の話なのである。

2008年の上海国際服装文化フェアでは「和諧・ファッション・国民服」と題するフォーラムが開かれた。内外の専門家が集まり、中国の国民服について議論したものだ。またこの数年、何人かの全人代の代表や政協委員が、代表会議で「国民服」案を提出しようとしている。

日本には和服が、韓国には韓服が、ベトナムにはアオザイが、インドにはサリーがある。これらの服装は、濃厚な民族的要素によって国家的魅力をアピールしている。ある場所で国民服を着ることが、時にはその人の姿勢や立場を示すことになる。では、悠久の歴史を持ち、多くの民族を抱える広大な中国では、どんな服が国民服として相応しいだろうか?

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