中国の地球観測衛星「高分4号」を搭載したロケット「長征3号乙」が、12月29日0時4分に四川省の西昌衛星発射センターから打ち上げられた。「高分4号」は予定軌道に入り、打ち上げは成功。これまでに打ち上げられた「高分」シリーズ地球観察衛星も解像度の高さで注目を浴びているが、そのなかでも今回の「高分4号」は別格だ。国内外で複数の「ナンバー1」を記録している。
「高分4号」はここが別格
国家国防科学工業局重大特別プロジェクトセンターの童旭東・主任によると、「高分1号」、「高分2号」などの低軌道衛星と違い、「高分4号」は地上から約3万6000キロメートル離れた地球同期軌道上に位置する。中国の高軌道リモートセンシング分野で最高の技術レベルを誇るほか、世界中をみてもそれに匹敵する同種類の衛星はないという。
高軌道リモートセンシングの技術的革新は容易ではない。地上から3万6000キロ離れているにもかかわらず、解像度は可視スペクトルで50メートル、中波赤外線波長域では500メートル。中国国内で最大口径のマルチスペクトルカメラを搭載し、一度に撮影できる国土面積は河南省に相当する。また、高精度の姿勢制御も難題の一つ。「高分4号」のカメラレンズが1/3600度でもずれると、地上の撮影で生じる誤差は数キロメートルに及ぶ。このため、「高分4号」の姿勢制御と調整は高い精度が求められている。