元宵節は、人々にとって格別な楽しみだ。半月前の春節は「兆し」や「前ぶれ」に気をつけるので、タブーが多く、さまざまな言動に注意しなければならない。しかし、元宵節はリラックスした楽しい祭りで、タブーがないのである。警備の厳しいかつての古代国都であっても、この日ばかりは夜間外出禁止令が解除された。皇帝、大臣から一般の庶民まで、また、ふだんは閨房(女子の部屋)に引きこもっている娘たちも、町へくりだし、美しい灯籠を楽しむのである。そのため、元宵節を「中国のカーニバル」と呼ぶ人もいる。
元宵節でもっともにぎやかなのは、民間の「花会」である。俗に「閙元宵」(元宵節を楽しむ)と呼ばれていて、各地にそれぞれ独特な催しがある。