大西洋南西部の果てしなく広がる海域には、人知れぬ王国「ジーランディア」が隠されていた。地球物理学のデータによると、ジーランディアの面積は約500万平方キロメートルで、豪州の面積の3分の2に相当する。NZの北島と南島(South Island)、ニューカレドニアが主な3つの陸塊で、うち94%が海中に水没している。
NZ、豪州、ニューカレドニアの研究チームは「GSAトゥデイ」(3・4月号)で、ジーランディアは単独の地理実体であり、地球上の別の大陸の基準に合致すると報告した。これは周辺地域よりも標高が高いこと、他とは異なる地質状況が見られること、境界線がはっきりしていること、海底よりも厚い表層があることなどだ。
同研究の責任者、NZ地質・核科学研究所の地質専門家であるNick Mortimer氏は「海がなければ、そこに山脈と高くそびえる大陸があることが分かる」と話した。
同氏と同僚は10年以上に渡り、ジーランディアの秘密を追っている。彼らは談話、ベストセラー書籍、文章、論文で資料を集めている。データによると、ジーランディアはかつて超大陸ゴンドワナの一部で、その面積の約5%を占めていた。ジーランディアは約1億年前にゴンドワナから分離し、約8000万前にオーストラリア大陸から分離した。
しかしこれを正式に大陸とする国際機関は存在しない。そのため研究者はジーランディアが、大陸の一部として認定されることを願っている。学界で合意に至るまで、物議を醸すものとみられる。豪モナシュ大学の地質専門家のPeter Cawood氏は「このようにジーランディアを大陸と称するのは、切手収集のようだ」と話す。
しかし同研究チームによると、ジーランディアを大陸と定義づける科学的意義は、大陸の名簿に新たな名称が加わることにとどまらず、大陸が水没しても元の姿を維持できることが証明される点にある。これは大陸地殻の結合と分裂を調査する上で有益なものとなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月21日