全国人民代表大会代表で中国航天科工六院院長の劉志譲氏はこのほど、大型運搬ロケットを支える新液体ロケットエンジンの500トン級液体酸素石油エンジン、200トン級と25トン級液体酸素液体水素エンジンの3種がそれぞれ大型ロケットの第1段、第2段、第3段に使用されることを明かした。3種の推力、比推力、推力重量比はいずれも世界一流レベルである。
大型ロケットは中国が進める大型宇宙インフラ建設、深宇宙探査、有人月面上陸などの重大科学技術プロジェクトに欠かせない運搬設備で、中国の宇宙強国の構築を示す。2030年前後に初飛行する計画。
劉志譲氏は、「エンジンを120トン級から500トン級にするのは簡単なことではなく、技術面の難度が比べ物にならないほど高まる」と話す。推力を高めるには燃焼装置の流量、圧力、熱流を大幅に高める必要があり、構造の面では熱防護や熱伝導技術などが大きな試練となる。また、材料の強度、密封技術、信頼性に対する要求も非常に高い。
大型エンジンのコア技術の課題を解決すると同時に、中国航天科工六院は関連機関とプロジェクト立ち上げを推し進め、立ち上げから8年以内の交付を目指している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年3月5日