米サイト「サイエンス・デイリー」はこのほど、米国人科学者がドナーの幹細胞、アルギン酸塩、コラーゲンを原料に特殊な「バイオインク」を開発し、3D印刷技術を使って人の角膜を製造したと伝えた。将来、人類の角膜の供給量は無限になる可能性がある。当然、このような角膜を移植するには、まだ時間がかかる。
ニューカッスル大学再生医学の教授が率いるチームは雑誌『J Glaucoma』に掲載したレポートで、健康な人が寄贈した角膜の幹細胞(角膜の基質細胞)とアルギン酸塩、コラーゲンを合わせて3D印刷できる「バイオインク」を開発し、安価な3Dプリンタで同心円に圧縮し、角膜の形にすることに成功したと発表。印刷にかかる時間はわずか10分だという。また、幹細胞は発育し続けることも研究でわかった。
研究者も、患者の目のデータをスキャンし、大きさと形に適した角膜を急速に印刷できると証明した。教授は、「3D印刷した角膜はさらなる実験の必要があり、実際に移植に使用するには数年かかる」と話すが、人の目から取得した原料で角膜を印刷することは確かに可能だとわかった。この方法は世界の角膜資源の不足を緩和するとみられる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月10日