ドローン農薬散布やアプリ注文 スマート化が農業を変える

ドローン農薬散布やアプリ注文 スマート化が農業を変える。

タグ:ドローン 農薬散布

発信時間:2020-05-01 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

   ドローンでの農薬散布、オンライン技術講座、ビッグデータでの農田管理、農業物資・農産品のオンライン取引など、今年は感染症流行が春耕に影響する中、普及が急速に進んだスマート農業は多くの地域の農家の悩みを解決し、農業生産は「感染症による難関」を順調に乗り越えることができた。

 

農作業をする農民は減少、「ブラックテクノロジー」が増加

 

 四川省中江県にある3500ムーの小麦畑には誰もいないが、上空では10機の植物保護ドローンが農薬散布チームを結成し、小麦黄さび病、うどんこ病、アリマキ、病虫害の予防管理を行っている。

 

 回龍鎮党委員会書記の張小江氏は、「6時間も経たないうちに3500ムーの小麦畑に農薬を散布できる。小麦が穂をつける時期になり、人が入ることはできない。ドローンは大きな問題を解決した」と話す。

 

 中江県農業農村局植物保護ステーションの劉学兵副所長によると、新型コロナウイルス感染症の発生後、中江県はドローンを使った植物保護を強化し、農業従事者の密集をなくしただけでなく、生産効率も大幅に向上させた。

 

 今年春、記者は四川省の農村部を取材し、農作業をする農民は減ったが、「ブラックテクノロジー」が増えているのを目にした。衛星リモートセンシング、ドローン植物保護、マルチスペクトルカメラ、オンライン農業技術指導などのITは農業生産を「スマート化」している。

 

 従来は春耕の時期になると、四川農業大学園芸学院の教授と学生が畑を訪れ、農民に技術指導を行なっていた。今年は感染症流行により、農業技術者が訪問できず、四川省ブン川県の200人以上の果物農家は非常に焦っていた。

 

 そんな中、春耕技術講座が「クラウド」で始まった。動画を通し、四川農業大学園芸学院の教授が彼らと「会い」、コムギ葉枯病にどのような農薬を使うか、生長中の果実が小さくなったまたは黄色くなったなどの一連の質問に詳しく答え、果物農家に甘いさくらんぼの春季栽培技術を教えた。

 

 「効果は良好で、その場で教えるのと変わらない。しかも、外出する必要もない」と果物農家は話している。

 

デジタル技術が農業スタイルを変えた

 

 農業専門家で四川川聯農業産業化リーディングカンパニー協会会長の卿成氏は、「伝統的な農業生産方法では現代の農業生産ニーズを満たせなくなり、ITを利用して生産方法を変え、生産効率を向上させる必要がある」と述べた。

 

 中国インターネット情報センターの統計によると、2019年6月時点で、中国農村部のネットユーザー数は2億2500万人に達し、行政村の光ファイバー・4G開通の割合は98%を超え、インターネットは農家が農業と市場情報ニーズを解決する主な手段となっている。

 

 数年前、四川省大邑県の農民の黄海さんは1000ムー以上の土地を請け負い、大型の穀物栽培者になった。以前は初春にチンゲンサイと小麦を植え、春に稲を植え、黄海さんは数十人を雇って灌漑、農薬散布、収穫を行なっていた。農業物資を購入する際、彼は車で販売店を1軒1軒回って価格を比較していた。収穫後は県内の各乾燥買取企業を回った。

 

 黄海さんは、「現在は吉時雨アプリで操作するだけで、ドローンや田植え機が人の代わりに全ての植え付け作業をしてくれる。農業物資の購入や穀物の販売も携帯電話ででき、取りに来るのを待っているだけで、何も心配しなくてもいい」と話した。

 

 技術は便利さだけでなく、コスト低下と収益増加ももたらした。黄海さんの推算によると、以前の生産費用は年間10万元以上で、収益は20万元あまりだったが、現在は費用が半分に減り、収益は約30%増加した。

 

 四川潤地農業有限公司の李宗濱会長は、「伝統的な小型農家は農業集約化発展に対応できず、大型市場に対してどうすればよいかわからない。我々が開設した吉時雨スマートプラットフォームは、プラットフォーム+中心+農家という形式を用い、耕す・植える・予防・収穫・販売・管理の全チェーン、ワンストップ式の農業デジタル化サービスを提供する。農家の1ムーあたりの穀物生産収入は40~60元増加した」と述べた。

 

デジタル技術、農業スタイルを根本から変えた

 

 山東省寿光市で、今年の「野菜博覧会、種博覧会」が初めてオンラインで開催された。指を動かすだけで野菜の取引が可能になり、「クラウド野菜栽培」プロジェクトは24時間途絶えることなく野菜の生長を観察できる。

 

 江蘇省泗洪県の養豚場は「ブタ顔認識」や「赤外線検温」を導入し、ビッグデータで全てのブタの特徴、生長過程、防疫を記録し、養豚の「デジタル化」を実現した。


 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年5月1日

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