現在、中国ドラマは東南アジアで高い競争力をキープしている。タイでは2019年、テレビだけでも100作品以上が放送され、動画配信プラットフォームが急速に発展するにつれて、その数は増加の一途をたどっている。
アフリカでは、中国ドラマがデジタルテレビ局・四達時代(スタータイムス)のST Kungfuチャンネル、ST Sino Drama(中国映画・ドラマチャンネル)で1日中放送されている。アフリカにおいて運営のローカライズを実現している四達時代の業務は現在、アフリカの37ヶ国をカバーし、デジタルテレビユーザー1300万人以上、インターネット動画モバイルアプリのユーザー2000万人以上を抱えている。中国は8年連続でアフリカのテレビ番組見本市「DISCOP AFRICA」に聯合ブースを設置し、アフリカの人々に中国の最新のテレビ作品を紹介してきた。
中東では、より多くの中国のトレンディドラマが、アラビア語の字幕付きで動画サイトで配信され、若者の注目を集め、再生回数も過去最高数更新を連発している。
業界関係者は、字幕版や吹き替え版が、ドラマの海外発信における言語の壁を突き破り、ドラマの海外進出加速をバックアップしているとし、中国ドラマは、現地の言語の吹き替え版が往々にして人気を博し、影響力も大きくなっている。
四達時代は、複数の言語の翻訳チームを立ち上げ、翻訳、吹き替え作業の人材を現地で育成している。これまでに、「スターカップ中国映画・ドラマ吹き替えコンテスト」がタンザニアやナイジェリア、南アフリカなどで開催され、スワヒリ語、ハウサ語、ズールー語などの吹き替えの分野の人材を発掘してきた。
エジプトのカイロでは、Vibrationスタジオのスタッフが最近、中国ドラマ数十作品の翻訳作業を終え、アラブ諸国の多くのテレビ局で放送されている。責任者は、「翻訳のプロセスは、リメイクのプロセスでもある。細かな点の表現の仕方を何度も練り直し、言語をできるだけローカライズする。それらの仕事のほとんどを現地のスタッフが行っている」と説明する。
イラクの公共放送局・アル・イラキーヤの局長は、「とても自然なアラビア語の吹き替え版を見ると、現地の人々は中国の人々の現代的な生活を一層深く知り、社会の発展を感じることができる。これは、文化交流を実現するための重要な一歩だ」と語る。
ドラマが中国社会の発展・進歩を感じるツールに
ある専門家は、中国ドラマの海外進出が加速していることは、中国経済が急速に成長していることや文化の影響力が増していることの表れと見ている。多くの海外の視聴者は、「画面を通して、中国社会の発展と進歩を感じることができる」との声を寄せている。
ミャンマーの国営放送局「ミャンマーラジオTV局(MRTV)」の呉敏推局長は、「現代をテーマにした中国ドラマを当局で放送するのは、こうした優れた映画・ドラマ作品を通して、ミャンマーの人々に中国の社会発展を知ってもらいたいから」と話す。
中国ドラマを長期にわたって見ているというあるタイ人は、「ストーリーがおもしろいほか、現代ドラマを通して、中国の急速な発展、変化を見ることができるから」と話す。