「代行経済」現象は訳もなく出現したのではなく、経済発展と社会の分業が必然的に生み出したものだといえる。その急速な発展と、関連する産業やサービスの種類の持続的な増加は、インターネット技術の発展と切り離せない。ネットは場所もニーズも異なる人々をすぐに結びつけ、「代行経済」の発展を技術面で支えている。「代行経済」は「ものぐさ経済」だという人もいる。人々のライフスタイルの変化によって生まれたものだからだ。もちろん、「代行経済」は「ものぐさ経済」と全く同じというわけではない。なぜなら、現在、人々の生活リズムは加速し、生活にかかるストレスが増大し、やりたい気持ちはあっても自分でできないことがたくさんあるからだ。こうした状況の中、「代行経済」が発展して、時間とパワーには限りがあるという困難を解決してくれるようになった。「代行運転」、「代行何でも屋」など、低効率で時間のかかることを誰かに代行してもらうことが可能になり、私たちはより多くの仕事を効率よく片付けることに集中できるようになった。
最近、国家発展改革委員会をはじめとする13部門が「新業態・新モデルの健全な発展の支援と消費市場の活性化による雇用拡大牽引に関する意見」を共同で通達し、「オンラインサービスの新モデルを積極的に模索し、消費の新市場を活性化させる」必要があると明確に指摘した。「代行経済」は一種の新経済モデルであり、これまで当たり前とされていた思考モデルを打ち破り、伝統的なメカニズムの制限を突破し、人々の生活の質を高め、多様化する社会のニーズを満たすと同時に、新しい職業の誕生も促した。新型コロナウイルス感染症の期間には、予防・抑制を行う必要性から、人と人との接触が大幅に減少し、このことが「代行経済」の発展にチャンスをもたらした。ある意味では、感染症によって新たな消費習慣の形成が促され、さまざまな「代行経済」スタイルが感染症期間に重要な役割を発揮したと言えるだろう。たとえば、「デリバリー」は外食産業が営業を続けるための保障となり、「代行で猫をかわいがる」とか「代行で旅行に出かける」といったサービスは、家に閉じこもらざるを得なかった人々の精神的なニーズを満たし、「代行で調達」するサービスは、「消費ニーズを満たす」と「人が密集する機会を減らす」という二重の目的を達成した。「代行経済」は力強い活力と強靱性を示し、人々の暮らしの保障と社会経済の回復にとって非常に重要な役割を果たしたと言えるだろう。(人民網日本語版論説員)