街中の書店は町の文化スポット、人々の心の灯火になっている。ここ数年、インターネットの急発展に追いやられ、書店の実店舗は防疫の常態化のもとで、どのように困難を脱し再起をはかるかという課題に直面している。
北京市委員会宣伝部が主催し、中国新聞出版伝媒集団が運営する「書店実店舗が北京文化の光を灯す」フォーラムがこのほど、北京で開かれた。業界関係者は「書店実店舗の新形態の模索、都市文化の新発展の推進」をテーマに、書店の発展には「推進」だけでなく「活性化」も必要であり、合理的調整、機能の完備、主要業務の顕在化、多元経営という発展の新構造を早急に構築することを呼びかけた。
2016年に中国宣伝部など11部門が『書店実店舗の発展支援に関する指導意見』を共同で発布して以降、各地は計画、資金、場所、プロジェクトなどの面から一連の支援策を打ち出し、書店実店舗の調整、商品と業態構造の合理化、経営体制、組織形式とサービス方式などの革新を進めている。
中国宣伝部印刷発行局の劉暁凱局長によると、昨年の新型コロナ流行期間、中央と地方は各種の支援策を実施し、各地は総額3億800万元を書店実店舗の支援に拠出し、実店舗の存続と困難脱出を後押しした。現在、全国の書店実店舗は7万8000軒に達し、うち1000平方メートル以上の店舗は1600軒を超えている。劉暁凱氏は、「中国の書店実店舗の経営にはチャンスと試練、圧力と原動力がともに存在し、活性化、機能向上、実績増強をはかる必要がある」と述べた。
アフターコロナ時代、書店実店舗は市民の文化消費の重要な場所だが、都市文化の牽引、公共文化サービス、全民読書推進においてどのような独特な作用を発揮できるのか。
北京市委員会宣伝部の王野霏副部長によると、北京市は近年、書店実店舗の支援策を打ち出し、実店舗は勢いよく発展し、産業規模は拡大し、規模化、特色化、専門化の新たな傾向が見られ、読者を中心とした立体的で多次元の文化消費の新形態を構築し、北京文化の発展をリードする重要な参与者と推進者になっている。
デパート、コミュニティ、工業団地、ビルに入ると、「店舗・施設結合」「書店+教室+出版」などの特徴的な新商品・新形式・新業態が次々と現れている。テーマ書店は市民の文化レジャーの中心へと変化し、専門的な書店は知識シェアの中心へと変化し、新型の書店は5G、ビッグデータ、IoTなどの新技術と組み合わせてスマート書店やデジタル化体験館へと発展し、書店実店舗はモデル転換発展の融合の道を歩んでいる。
中国書刊発行業協会の艾立民理事長は、書店実店舗は単純な文化商品販売の場所ではなく、科学知識の普及と文化教育の窓口となっているため、新しいメディアを活用して本の中の知識を全面的、多層的、立体的に広める必要があるとの見解を示した。書店の中枢機能を通し、読書を愛し、良い本を読み、読書がしやすい良好な雰囲気を作り出し、読書への興味を引き出し、読書習慣を養い、読解力を高める必要があるという。
韜奮基金会の聶震寧理事長は、「書店実店舗は編集力と科学技術力を強化する必要がある。書店実店舗は自身の編集力を引き上げ、書籍の組み合わせを合理化し、読者が書籍を見つけやすいようにしなければいけない。また、科学技術力を高め、スマート技術を利用してコスト削減とルート開拓をはかるべき」だと述べた。
王野霏氏によると、北京市は書店の革新的な融合発展への助成を強化し、書店業の経営革新、品質とサービスの向上をを促し、市民がいつでもどこでも本と巡り合えるようにし、レジャーと文化のダブルの需要を満たし、書店実店舗の質の高い発展に取り組んでいる。
中国新聞出版伝媒集団の党委員会書記で会長の馬国倉氏は、「書店は町の灯火、都市文化の程度を示す重要な窓口である。書店実店舗の設置は都市の文化イメージに関わり、市民の最も基本的な文化権利を保障するシステム的事業であり、支援することは必然的だが、資金と基本的な投入だけでは不十分。書店の価値は読書にあり、書店は読書によって存在し、政府のトップダウン設計、社会の大々的な提唱、民衆の積極的な参与があってこそ全民読書の雰囲気を形成し、読書消費を促し、効果を上げることができ、書店実店舗も持続可能な発展を実現することができる」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月3日