国家知的財産権局知的財産権発展研究センターがこのほど発表した「生物育種産業特許ナビゲーション研究報告書」によると、中国の生物育種特許出願件数は現在世界一で、うち分子マーカー育種もすでに米国を抜き世界一となっている。
中国は種子大国であるが、種子強国ではない。同センターの白剣鋒副主任は、「中国の育種産業にはグローバルな展開の遅れ、商業化育種体制・メカニズムの未構築、一部分野の権利侵害の大きなリスクといった問題が存在している。生物育種でリードを維持するためにはさらなる取り組みが必要だ」と述べた。
先進技術の利用の深さと広さが不十分
白氏は例を挙げ、「まず、生物育種などの先進技術の利用の深さと広さが不十分だ。海外の大豆育種はすでにマーカーアシスト選抜などの現代育種技術を広く利用し、育種効率を大幅に上げている。ところが中国の大豆育種は基本的に通常の育種で、育種効率及び具体的な性状への正確な改良の面で大きく遅れている。次に、中核技術のブレイクスルーがない」と述べた。
白氏はさらに、「中国は植物生物育種の特許件数が世界一だが、圧倒的多数の特許は中国でしか出願されておらず、特許の国際的な戦略と展開が欠けている」と警鐘を鳴らした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月19日