「表情包」が若者のオンライン交流の第二言語になった理由は?

「表情包」が若者のオンライン交流の第二言語になった理由は?。

タグ:オンライン交流

発信時間:2021-12-15 14:21:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 調査によると、大学生の7割以上が表情包(絵文字、スタンプ、ステッカーなどの総称)を利用し自分の感情を表現している。また回答者の6割以上が、表情包は友好を示しやすく、また表情包により緊張を和らげるとした。確かに表情包は近年、さまざまなソーシャルシーンで使用されている。多くの若者はバーチャルのコミュニケーションで表情包が不可欠になっている。


 ステッカーの起源は米国人が発明した笑顔の記号だ。その後さらに顔文字、笑顔、絵文字、キャプション付きの画像、動く画像といったさまざまな表情包が派生した。検索エンジン「Emoji」の創業者は2014年より、毎年の7月17日を「国際絵文字デー」としている。表情包はソーシャルアプリの広い普及により流行した。ユーザーはアプリ内に最初から入っているもののほか、自分でデザインした自分だけの表情包を発表できる。ソーシャルアプリは人々の交流を徐々に顔合わせの意思疎通からオンラインに移行させた。バーチャルな交流で表情包を使う若者が増えている。


 表情包はオンラインの文字による交流の重要な補完と見ることができる。顔合わせの意思疎通と異なり、オンラインの文字による対話は相手側の状態や気持ちを察するのが難しいが、表情包を送ることでこの不足を補える。適切な表情包を送ることでネガティブな感情や不満を表現でき、情報を受信する相手側の緊張を和らげられる。表情包はさらに言葉の難しいニュアンスを把握できなくても、気軽に選び送ることができる。


 また表情包は同じ内輪の人、もしくは同じ世代の「暗号」になる。新メディアに詳しい彭蘭教授は、「表情包は世代もしくはグループを区別するレッテルになる。より親密で気の合う人との間で使用される表情包はより具体的で活き活きとしている。これは目下の人が目上の人に表情包をあまり使わない理由でもある。各グループの内部には、その固有の意思疎通の暗号や文化的な符号がある」と記している。


 若者が使用する表情包はユニークで皮肉なものが多いが、中高齢は静かで穏やかで前向きなものが多い。これは同じ表情に対する世代間の認識の差を生んでいる。例えば中高齢者は微信(WeChat)の「微笑み」を喜んでいる表情と見るが、若者は皮肉で冷たい作り笑いと見る。「辛い」「バイバイ」などの表情と同じく目が下を向いており、ストレスによる笑顔のように見えるからだ。


 表情包はネット上のサブカルで、若者が追い求める新しいライフスタイルを示している。表情包は単独で存在しているわけではなく、現在の社会のホットな話題やネット流行語と密接に関連している。ネットワーク技術は若者に力を与える。すべてのネットユーザーが表情包の生産と共有に加われる。このサブカル的な属性を持つ記号は言葉遣いのハードルを下げた。


 しかし表情包を使う時にも文字の力を無視できない。表情包の内容と解読には非理性的要素と不確実性があり、双方の交流における誤解と認識のズレを生みやすいからだ。画像もスクリーンショットも、表情包は浅いレベルの断片化された表現、オンライン交流の補助的手段に過ぎない。これは音声もしくは文字の交流における深い思考と実感には遠く及ばない。人と人の交流の真の目的は、双方のより良い心の理解を目指すことにあるのだ。(筆者・武漢市社会科学院研究員補佐)


「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月15日

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