世界は2022年に突入した。新型コロナウイルスへの対応のほか、今年の科学技術関連分野には多くの見所が期待できる。宇宙が非常に賑やかになる。気候変動をめぐる駆け引きが続き、生物多様性条約締約国会議で重要な成果が形成される。多くの大型装置の再稼働に伴い、物理学が豊作の一年を迎える。メタバースがチャンスか一時的な流行かが明らかになる。
変異株は現在、世界の感染対策が直面する重大な脅威となっている。
国内外では最近、新型コロナウイルスの治療薬の発売、もしくは緊急使用が認められている。これらの治療薬は重症化と死亡のリスクを引き下げる。内服薬は早期の治療に便利であり、発展途上国が調達・使用しやすく、注目を集めている。
世界保健機関(WHO)は、「2022年はこのパンデミックを終わらせる一年にしなければならない」と表明した。今年はマラリアやエイズなどのワクチンの研究開発にも新たな進展が期待できる。
宇宙旅行がブームに
2021年は宇宙旅行元年とされている。宇宙船に乗り地上から100キロ以内の亜軌道で無重力を体験する億万長者がいれば、大枚をはたき国際宇宙ステーションを旅行する人や、宇宙で映画を撮影する人もいた。
今年はさらに多くの人が宇宙を訪れる見通しだ。英週刊紙「エコノミスト」は、新興技術を展望する記事の中で、「自費で宇宙を旅する民間人の数は今年、公務の宇宙飛行士の数を初めて上回る見通しだ」と記した。
現在ロシアが宇宙船を使い宇宙に観光客を送り出しているほか、米国のスペースX、ブルーオリジン、英国のヴァージン・ギャラクティックなどの多くの企業も宇宙旅行の機先を制しようとしている。
月探査から深宇宙に向かう
近地球軌道において、中国の有人宇宙ステーション「天宮」が年内に完成する予定だ。中国有人宇宙事業弁公室は、中国側は他国の宇宙飛行士が中国の宇宙ステーションに入り、国際協力を展開することを歓迎すると表明した。
人類の前回の月上陸から半世紀後、月が再び賑やかになってきた。中国の月面ローバー「玉兎2号」が現在、月の秘密に迫っている。米国は今春より「アルテミス1号」無人月周回テストを開始し、月に戻る1歩目を踏み出す。ロシアは7月に月探査機「ルナ25号」を打ち上げ、ソ連時代から数えて40年超途絶えている月探査計画を再開する。インドの3回目の月探査任務「チャンドラヤーン3号」も今年の打ち上げを予定しており、月面ローバー1台を月に送り込む。日本は年内に初めて月面着陸機を打ち上げる予定。韓国も世界の月探査の大軍に加わり、年内に米国のロケットを使い月探査機を打ち上げる予定だ。
さらにアメリカ航空宇宙局(NASA)は9月26日から10月1日にかけて、探査機を操作し小惑星に衝突させることで、小惑星の軌道を変える。この任務はいわゆる惑星防御システムのテストが狙いだ。この技術はまた宇宙軍事応用の潜在力を持っている。
メタバースで機先を制す
メタバースが最近、科学技術及び資本のホットな話題になっている。しかしそれが5G、VR、AI、ビッグデータなどの技術を統合し、電子ゲーム、ソーシャルネットワーク、娯楽を一つに融合できるかは、年内に明らかになるかもしれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年1月5日