中国が旗艦級宇宙望遠鏡を打ち上げへ、宇宙の変化の謎に迫る

中国網日本語版  |  2022-05-06

中国が旗艦級宇宙望遠鏡を打ち上げへ、宇宙の変化の謎に迫る。

タグ:旗艦級宇宙望遠鏡 中国宇宙ステーション

発信時間:2022-05-06 14:06:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 中国科学院国家天文台副台長、中国宇宙ステーション望遠鏡科学活動連合センター主任の劉継峰氏は記者に、「2023年に打ち上げが予定されている中国宇宙ステーション望遠鏡は壮大で、1台の大型バスのサイズだ。立てると3階建ての高さになる。口径は2メートルで、米国のハッブル宇宙望遠鏡の口径に相当し、視野は350倍だ」と述べた。

 

 中国宇宙ステーション望遠鏡科学データ責任科学者の李然氏は、「ハッブル宇宙望遠鏡のカメラの検出器は手のひらサイズだが、中国宇宙ステーション望遠鏡スカイサーベイモジュールのメイン焦点面は30個の検出器を組み合わせたもので、その1つ1つがハッブルのものより大きく、画素数も多い。稼働後、宇宙最大のカメラになる」と述べた。

 

 李氏はさらに、「山に羊の群れがいるとすると、ハッブル宇宙望遠鏡はそのうち1頭しか見られないが、我々は数千数万の羊をすべて撮影できる。しかもそのすべての羊がハッブル宇宙望遠鏡と同じく鮮明に見える」と続けた。

 

 李氏によると、中国で最も高額の宇宙天文施設の主要任務には、宇宙の最も基本的な問題(暗黒物質や暗黒エネルギーとは何か、銀河はいかに変化するのかなど)の解答が含まれ、人類による宇宙の理解を支える。40%超の夜空を撮影し、宇宙の一区画を切り取り地球上に置くようだ。これらの画像はデジタル化され、非常に大きなデータを生む。全世界の科学者がこれらの情報を利用し研究を展開できる。

 

 中国宇宙ステーション望遠鏡は、天文学者が10億個超の銀河を観測し、これらの銀河の位置・形態・輝度を特定し、宇宙の構造と変化を描き出す一助となる。

 

 李氏は、「宇宙が膨張することは分かっており、現在の膨張のペースも導き出せる。しかし宇宙膨張のペースは変化するのだろうか、何が宇宙の膨張を支えているのだろうか。これは現在の物理学の最も重要な問題の一つだ。天文学者は中国宇宙ステーション望遠鏡を使い宇宙における物質の変化を研究し、宇宙の膨張の歴史を調べる。これは新たな物理学の一端を垣間見るだろう」と述べた。

 

 天文学者さらにこれを使い、100億光年弱の暗黒物質のマップを作り、暗黒物質とは何かを推測し、宇宙の別の基本的な問題に解答できる。

 

 またこの望遠鏡は一般相対性理論が宇宙スケール上でも成り立つかを調べ、ニュートリノの質量の上限を限定できる。人類が宇宙の最初の状態を理解する一助となる。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月6日


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