重さ50キログラムの自動気象観測所が4日12時46分頃、チョモランマ北側斜面の標高8830メートルの地点に設置された。リアルタイムデータが正常に伝送された。
中国科学院青蔵高原研究所、中国気象科学研究院、西蔵自治区気象局でつくる「西風・季節風相互作用及び影響分隊」は、チョモランマベースキャンプでラジオゾンデシステムを使い、地上から2万メートルの高空までの気温・湿度・気圧の変化を探査する。レーザー測風レーダーを使い地上からチョモランマの山頂の高度までの風向きと風速をリアルタイム観測する。マイクロ波放射計を使い地上から1万メートルの高空の大気の垂直方向の気温・湿度の輪郭線を測定する。科学観測にリアルタイムデータと、チョモランマ地区及びベースキャンプからチョモランマ山頂までの各高度の正確な気象予報を提供する。
チョモランマ科学観測専門家及び科学観測登頂隊員は昨年より数々の困難を乗り越え、標高5200−8300メートルのチョモランマ北側斜面で7つの自動気象観測所を作り、運用開始した。これらの気象観測所は段状に分布しており、チョモランマ北側斜面の気温、相対湿度、風速、風向き、太陽放射などのデータを正確に実測できる。収集された気象データにより、超高標高の気象要素の変化の特徴の研究を掘り下げることができる。これは高標高氷河及び積雪の変化の観測にとって重大な意義を持つ。
科学観測隊員は今回さらに初めて地球の頂で高精度レーダーを使い氷雪の厚さを測定する。飛行船大気観測の標高の世界記録突破を試みる。超高標高大気汚染の移動、科学観測人員の高標高への適応性などを調べる。
青蔵高原は「世界の屋根」「アジアの給水塔」「地球の第3の極」であり、中国の重要な生態安全バリア、戦略的資源備蓄拠点だ。気候を見ると、青蔵高原は季節風と西風の大型調節装置で、世界の気候変動に対して重要な影響を生む。世界的な温暖化に伴い、青蔵高原地区は標高が高いほど気温上昇の幅が大きいという特徴を示している。今回の科学観測は、温暖化を背景とするチョモランマ超高標高地区の環境変化の法則、温室効果ガスの濃度の変化の特徴及び生態系のカーボンシンク機能、人類の過酷な環境への適応の特徴などの謎を解明する。青蔵高原のエコ文明建設と第3の極の環境保護及びグリーンな発展を支える。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年5月5日