中国科学院分子細胞科学イノベーションセンターの研究チームは合成生物学と遺伝学技術に基づき、生体内の細胞間の相互作用を捉え、隣接細胞も恒久的に追跡できる画期的な研究手法である隣接細胞遺伝学技術を開発しました。このことにより発生生物学、腫瘍学など複数の分野の研究に技術面からの強力な支援が提供されました。研究成果に関する論文は北京時間2日、国際的な学術雑誌である「サイエンス」誌に掲載されました。
中国の研究チームは10年をかけて隣接細胞遺伝学技術を開発し、多くの組織の中での隣接細胞に対する正確な測位と恒久的な追跡を実現しました。
科学研究チームは新たに開発した隣接細胞遺伝学技術を利用して、胚の早期発育段階で心臓内皮細胞が肝臓に移動することを発見しました。移動した内皮細胞は肝臓組織の微小環境の影響により、肝臓特有の肝類洞内皮細胞に変化します。この発見は、細胞間の相互作用及び存在環境が細胞の運命と機能の転換に極めて重要であることを示唆しています。
「中国国際放送局日本語版」2022年12月2日