ネコを飼っている人が中国でも増加している。街中を歩いていると、ペットキャリーバックを背負った若者をよく見かけ、その透明の窓からかわいいネコの顔が見えると、思わずほっこりとした気持ちにさせられるものだ。広州日報が報じた。
「2022年中国ペット業界白書」の最新データによると、2022年に中国でイヌやネコを飼っている人の数は前年比2.91%増の7043万人に達した。中国の都市部だけを見ると、同年、イヌを飼っている人の数は3412万人、ネコを飼っている人の数は前年比12.59%増の3631万人に達し、ネコを飼っている人の数がイヌを飼っている人の数を上回った。
ネコが人気となっているのは、散歩する必要が無く、水とキャットフード、トイレを置いておくだけでよく、手軽だからだ。そして、若者たちもまたネコの世話をすることで、より生きがいを感じ、責任感を持つようになっている。
ネコを飼っている人の6割以上が20-30歳の若者
「2021年中国ペット業界白書」によると、ペットのネコの数は2021年にイヌを超え、最も人気のペットとなった。報告によると、同年、中国の都市部の家庭で飼われているネコの数は約5806万匹だった。2020年の時点の都市部の世帯数は約4億9416万世帯(2021年に発表された第7回全国国勢調査の統計)だったため、8世帯に1世帯でネコが飼われている計算になる。
また、「2022年中国ネコ科診療報告」によると、ネコを飼っている主な年齢層は、20-30歳の若者で全体の62%を占めていた。
ネコを飼っている人の76%がネコを大切な家族、ひいては子供と見なしている。また、16%がネコを友達やパートナー、ストレスを解消してくれる対象と見なしていた。「ネコはペットにすぎず、特定の役割はない」という回答は7%にとどまった。
心理学者「ネコがいると孤独感を解消できる」
「ネコを飼っている若者が周りにたくさんいる。大都市で一人で頑張っている若者ばかりで、ネコがパートナーになっている」、「朝も夕方も一人で通勤している。家は物寂しく、孤独感でいっぱい。でもネコがいると違ってくる」としており、ネコを飼うことで、若者は孤独感を解消しているようだ。
ある心理学者は、「心理学者アブラハム・マズローの自己実現理論によると、どこかに所属しているという感覚と誰かに愛されているという感覚が満たされなければ、人は安心することができない。現実の世界において、若者は生まれ故郷を離れ、異郷で必死に働いていることが多く、両親や親戚、友達が近くにいない。そして、仲の良い友達を作るのも難しい。こうした状態でネコがいると、帰属意識や愛の欠乏がある程度解消される」との見方を示している。
都市に住む若者のライフスタイルにマッチしているネコ
イヌと比べてネコが若者の間で人気となっている理由は、「手軽」である点だ。若者は毎日忙しく、暇な時間が少ない。しかし、ネコならばずっと世話をする必要はなく、水とキャットフード、ネコ用トイレさえ準備しておけば、ネコは気ままに家の中で過ごすことができる。こうしたネコの習性が若者のライフスタイルにちょうどマッチしていると言える。
イヌを飼ったことがあり、今はネコを飼っているという羅佳さんは、「ネコの世話にかかる時間やエネルギーを軽四の運転に例えるなら、イヌは大型クロスカントリー車」と話す。
ある心理学者は、「ネコを飼うと、若者の人間関係にも良い影響を及ぼす。ネコを飼う人が増えると、ネコを話題にして会話が始まることが多くなる。元々話がなかなか続かなった人同士でも、両方がネコを飼っている事を知ると、会話が弾むようになるものだ」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年8月16日