生態環境部(省)がここ数日の発表によると、中国は1991年に「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」に加入して以来、予定通り各段階の履行目標を実現した。履行30数年にわたり、中国が削減したオゾン層破壊物質は累計約62万8000トンで、発展途上国の削減量の半分以上を占めた。同時に二酸化炭素(CO2)換算で260億トン余りの温室効果ガスの排出を回避し、世界のオゾン層の段階的な回復に重要な貢献を行い、気候変動の緩和にも積極的な役割を果たした。科技日報が伝えた。
1987年に締結されたモントリオール議定書は、世界的な行動によりオゾン層破壊物質の生産と使用を段階的に中止することを目標とする。モントリオール議定書の締約国は2016年にキガリ改正を採択し、世界的な温暖化を引き起こす強い温室効果ガス「ハイドロフルオロカーボン(HCFC)」の管理・抑制と削減を決定した。科学的な評価によると、国際社会がキガリ改正の管理・抑制要求を履行すれば、2100年までに世界の平均気温の上昇を最大0.5℃回避することができ、気候上のメリットが大きいとされている。
生態環境部が発表した資料によると、中国は複数の措置を取り、HCFCの管理・抑制の履行を推進し、積極的な進展を見せている。うち割当許可管理の実施により、総量抑制の目標を実現した。中国は2024年度にHCFC生産割当を発行し、国内で使用される割当はCO2換算でそれぞれ14億4900万トンと6億4300万トンで、2024年度の割当総量と比べCO2換算でそれぞれ4億400万トンと2億6200万トンの削減となる。また中国は2021年にキガリ改正を受け入れてから、HFCS輸出入許可管理制度を構築し、これを厳格に実施している。毎年3万回近くのHFCS輸出入審査・批准を実施し、CO2換算で約145万トンとなる延べ59回のHFCS潜在的違法貿易を阻止している。
また中国はHFCS管理・抑制履行の科学技術研究を強化している。例えば山東長島などの地域でHFCSとオゾン層破壊物質大気モニタリングネットワークを徐々に整備し、中国の履行成果評価及び予測・早期警報評価システムを構築することや、自動車や家電などの業界におけるHFCS代替品及び代替技術の研究開発を推進し、履行により業界のトランスフォーメーション・高度化を推進するなどだ。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年10月6日