日本観光のターゲット 定年退職者に拡大すべき 

日本観光のターゲット 定年退職者に拡大すべき 。 日本観光について、もう1つビジネス・チャンスを紹介しておきたい。つまり、北京、上海など大都市の定年退職者もターゲットにできることだ。さいきん、広告で韓国と日本の九州への船の旅というものを目にしたが、これくらいのことなら、一部の定年退職者でも・・・

タグ: 日本観光 定年退職者 林国本

発信時間: 2010-07-05 13:48:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

林国本

このところ、中国の夕刊紙などでよく日本人のパックツァーの広告を目にする。私はさいわい仕事で6年間も日本に滞在したことがあるので、ほとんどが「曾遊の地」で、今さら重い腰をあげて、もう一度行ってみようかという気持ちにはどうしてもならない。また、訪日の旅などでほとんどの観光地にも案内してもらったことがあり、人とかなり違った好みをもつようになっている。

たとえば、松江へ行くと、必ずラフガディオ・ハーン記念館に足を運んだり、酒田へ行くと土門拳記念館に足を運んだりしている。したがって、パックツァーのコースでは、私の「アラカルト」の好みは満たせないのである。その点、日本観光ブームに乗っている一般の人たちとは少し違うが、これは職業上どうしようもないことだ。

日本側の報道を見ていると、中国人観光客がデパートに押しかけて、日本製の化粧品を次から次にと買っているらしいが、私のような「変人」は、書店に飛び込んでリーマン・ショック以後の変化についての本をたくさん買ってくることになる。これも日本の経済に貢献していることには変わりはないが、とにかく普通とは違うのだ。

日本のデパートなどでは中国語のできるスタッフを使ってサービスに力を入れているらしい。私の友人の話では、日本人の中国人を見る眼が少しずつ変わりつつあるらしい。これは近代化によって、中国人もかつての日本人のように「所得倍増論」の恩恵をこうむるようになりつつあるのかもしれない。

私のある先輩が「自分は日本人が鼻高々となっている時代を過ごしてきたので、いまのように中国経済の発展のおかげで、日銀短観まで上方修正する時代を体験することができなくて残念だ」と言っていた。世の中というものはそういうことなのかもしれない。私の知人で、アメリカ製のキャンピンガーに乗って中国各地を旅行している人もいるが、私は別にうらやましいと思ったこともない。かえって、あんな窮屈なベッドでよく眠れるのかと思ったりしているが、本人たちがカッコいいと思っているだから、それでいいではないか。

日本観光について、もう1つビジネス・チャンスを紹介しておきたい。つまり、北京、上海など大都市の定年退職者もターゲットにできることだ。さいきん、広告で韓国と日本の九州への船の旅というものを目にしたが、これくらいのことなら、一部の定年退職者でも、2、3年に1回は行けるのではないだろうか。年金生活者の場合、不法滞在者になる可能性はゼロ。年金や医療保険を捨ててまで日本で三K労働にたずさわって命を縮める愚か者は皆無と言っていいだろう。船をホテル代わりにして旅をするものも気分爽快なものである。私は仕事で6年間も日本に滞在したが、好きな仕事に生きがいを感じていたせいか、よけいなことを考えたことはなかったが、私にとっての生きがいは日本を対象として、ジャーナリズムの世界で楽しみつつけることであった。

よく考えてみると、私が行ってみたかったなあ、と思い残しているのは、歌曲「知床旅情」の知床ぐらいだが、もうこれは「夢」として思いつづけるだけにしている。というのは、寄る年波で、カゼを引きやすい体質なので、肺炎にでもなったらたいへんなので。

とにかく、日本観光ブームで、日本をより深く知る中国人が増えることを願っている。また、日本観光をしてきた一部の人たちが北京の日本料理店の「常連」となっているのを見て、相乗効果の広がりをも実感している昨今である。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年7月5日

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