中国の著名作家莫言氏はこのほど、中国国際放送局の主催による「中日ネット対話」に出席した際、日本アニメと日本文学に対する印象を語った。(写真は莫言氏の資料写真)
インスピレーションは川端康成から得た
莫言氏は、日本のドラマやアニメをたくさん見たことがあると語った。80年代、日本の流行文化に触れ、当時の若者と同じように『遥かなる山の呼び声』『君よ憤怒の河を渉れ』『望郷』『鉄腕アトム』を見たことがあり、その後宮崎駿氏の『千と千尋の神隠し』も見た。日本のアニメについて、「鮮明な個性がある。宮崎駿氏のアニメには美少女のイメージがいて、少女のそばにちょっととぼけている少年がいて、大抵彼らの間にはあいまいな感情が生まれる」という印象を述べた。
莫言氏の創作への日本文学の影響も大きい。莫言氏は川端康成の作品中の「大きな犬が舌を出している」という文を読んで、すぐにふるさとの風景を思い出し、それで小説『白い犬とブランコ』を書いたが、それが後に映画『山の郵便配達』(原題:那山、那人、那狗)となった。
日本版『西遊記』を共に語る
京劇の中で孫悟空に扮する石山雄太氏と、リメイクされる日本版『西遊記』についても言及した。石山雄太氏は、リメイクは原作の精神に反してはならず、慎重にしたほうがいいという考えを示したが、それに対して、莫言氏は、原作には忠実にするべきだが、それに拘りすぎてもいけず、少し大胆に描写を変えてもいい、という意見を語った。
「チャイナネット」2007年10月12日