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作文コンクールに見る中国人と日本人
発信時間: 2007-11-15 | チャイナネット

まずは丁重なお電話、もしくはメールを頂戴する。そして、「締め切りが延びたのであれば、提出したものを書き直したいのですが」と尋ねる。

「もう一度書き直してくださるなんて、なんとうれしい」と思っていると、続々と同じ内容の電話やメールをいただく。ついに、その総数は8割を超えた。そして、もちろん、再度応募くださったときも、ほぼ全ての人がタイトル・氏名・連絡先を明記してくれていたのである。

作文のテーマにも、違いがあった。日本人のテーマは、旅行や留学など身近な体験から日中友好を考えるものが多かった。一方、中国人のテーマは、中日交流のために政府の役人にも勝る、大きなテーマを戦略的に考えるものが目立った。よく言えば高い視点から、悪くいえば大言壮語的ともいえよう。

知ることが相互理解につながる

中日両国民の性格の差異が、作文コンクールひとつを取ってみても、浮き彫りになる。相互理解の難しさだろう。日本側から見ると、中国人の作文は、謙虚さと丁寧さを美学とする日本語で、なぜ大言壮語的に強調するのか理解しにくい。中国側から見ると、日本人はなぜ応募をためらうのか。応募してきたかと思うと締め切り間際にばかり集中する。審査するには時間がかかるのに、である。

近くて遠く、永遠の隣人であり、友人。日本と中国において、どうすればわかりあえるのか。コンクールの話題から飛び火して、どのように相互理解・民間交流を促進するか、私が行っていることを少し書いてみたい。読者諸氏に意見を頂戴したいと思う。

日中交流研究所の所長以外に、私は中日関係の出版社の編集長をしている。無料のメールマガジンやブログをはじめ、「日本人の中国における貢献」「在日中国人の活躍」「日中における実情に即した情報発信」を根底に持つ書籍を出版し続けてきた。

これは、家内工業で人件費がかからず、レイアウトや編集を一人で行うからこそ続いている。実情を知る日本人からは、奥ゆかしく遠回しに「どうやって続けているのか」と尋ねられるぐらいである。出納帳の数字が自動で衣替えをするのなら、たいていの数字が黒衣を脱いで、赤い服を着て踊るに違いない。

それでも、情報発信を続けていきたい。なぜなら、知ることは相互理解・民間交流の促進につながると信じているからである。どうすれば、民間の立場からもっともよく友好に結びつけることができるのか、結論は出ない。それでも、中日の懸け橋の小さな礎として、生きていきたい。

冒頭のコンクールは、相互交流をさらに促進したいと思い、始めた。今後も継続したい。

(日中交流研究所所長 段躍中氏)

「人民中国」より 2007年11月15日

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