五岳とは、中国の古代の帝王が山の神を祭るために選んだ五つの山のことをいい、東岳の泰山(山東省)、南岳の衡山(湖南省)、北岳の恒山(山西省)、中岳の嵩山(河南省)、西岳の華山(陝西省)の五つの山がそうである。
五岳で行われる祭祀は古代の人たちの大自然に対する畏敬の現われであり、全国統一の象徴でもあった。今では、そのようなことはしなくなったが、華山はそれでも依然として魅力のある山なのであり、それ故に多くの人がやって来る。山上には道教の寺もあり、これを見学すれば、中国の宗教文化に対する理解度は更に深まるに違いない。
華山は西安の東、120キロの華陰県にあり、南は秦嶺山脈に連なり、東北は黄河と渭河に面している。標高は2100メートルで、山並みは険しく、奇峰がそびえ立ち、中国で最も険しい山といわれている。
「古くから、華山には道は一本しかなく」、非常にせまく険しい道の連続である。