第66回カンヌ国際映画祭が現地時間15日、開幕する。中国語映画は、パルム・ドールを競うコンペティション部門に3年連続で選出されていなかったが、今年は映画3作品を携えて意気揚々と参加する。李安(アン・リー)監督と章子怡(チャン・ツィイー)が審査員として映画祭に登場するほか、多くの中国人スターがレッド・カーペットを歩く予定だ。「銭江晩報」が伝えた。
■特色を放つ各出品作品
中国映画人はこれまでもずっとカンヌの常連客ではあったが、ほとんどが必死になって映画を売るか、人気と知名度を得るためにスターたちがレッドカーペッドを歩くかだけのかかわり方でしかなかった。実際、中国語映画はカンヌでこの3年間無視され続けた。2009年の「スプリング・フィーバー」(原題:春風沈酔的夜晩)が第62回カンヌ国際映画祭の脚本賞を受賞した後、2010年、2011年、2012年の連続3年間、中国語映画はコンペティション部門に選出されなかったのだ。
今年になって、賈樟柯(ジャ・ジャンクー)がようやく中国語映画のメンツを挽回した。新作「天注定」(A TOUCH OF SIN)は「青の稲妻」(原題:任逍遥/2002)や「四川のうた」(原題:二十四城記/2009)に続いて、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門候補に選出された3本目の監督作となる。「天注定」は今年のカンヌ国際映画祭に出品される中国語映画の目玉であり、賈樟柯監督もようやく「カンヌ系の監督」となれた。現地時間15日には、賈樟柯監督が「天注定」の主演俳優・姜武(ジャン・ウー)や趙涛(チャオ・タオ)、王宝強(ワン・バオチャン)などを引きつれ、開幕式のレッドカーペットに登場する。
このほか、新人監督の劉韵(リウ・ユン)の「過界」(BENDS)が「ある視点」部門に出品されるほか、ジョニー・トー監督の「盲探」(BLIND DETECTIVE)がミッドナイトスクリーンで上映される。成龍(ジャッキー・チェン)と范冰冰(ファン・ビンビン)が共演する合作映画「Skiptrace」(中国訳:午夜逃亡)もカンヌ国際映画祭で宣伝活動を行う。
■チャン・ツィイーとアン・リーが審査員として登場
今年のカンヌには多くの中国語映画が出品されるほか、審査員にも中国人の顔が見られ、李安監督と章子怡が審査員としてカンヌに出席する。今回は、李安とスピルバーグがタッグを組み、パルムドールを選出する。賈樟柯監督がパルムドールを獲得するかどうかは、李安監督の一票にもかかっている。章子怡はこれまでにも2006年のコンペティション部門、2009年の短編部門で審査員を務めており、今回の「ある視点」部門で3回目だ。これにより、章子怡はカンヌの3大主要部門の審査員をすべて務めたことになる。
また、カンヌのレッドカーペッドを歩く中国人スターはさらに多く、章子怡をはじめとして趙涛、姜武、王宝強、劉徳華(アンディ・ラウ)、鄭秀文(サミー・チェン)、陳坤(チャン・クン)、劉嘉玲(カリーナ・ラウ)などが登場する。李宇春(クリス・リー)はブランドのイメージキャラクターとしてカンヌ国際映画祭のレッドカーペッドを歩く予定だ。
■注目される中国語映画
この数年、中国の映画市場はますます大きくなり、興収も以前に比べると比較的簡単に1億元(約16億円1000万円)を超えるようになった。その一方で、欧州3大国際映画祭における中国語映画の影響力は徐々に弱まっている。単にショーや宣伝の場でしかなかった以前と比べると、今年のカンヌ映画祭には多かれ少なかれ「真剣勝負」といった雰囲気が漂っている。結果がどうであろうと、誇れることには違いない。
■映画祭会期中、章子怡が新聞にコラム掲載
今年のカンヌ国際映画祭で審査員を務める章子怡は会期中、審査員として取材を受けることはできないが、「銭報晩報」にコラムを設け、「審査員の心得」をつづる予定だ。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年5月9日